フランシス・ベーコン展 展覧会レビュー その1

東京国立近代美術館で開催中の「フランシス・ベーコン展」へ行ってきました。前回お話したようにあまりフランシス・ベーコンは得意ではなく、恐る恐るでした。展覧会の構成は、ベーコンの作品を年代順に三つに分けており、最後にエピローグという4部構成になっていました。

私の中のベーコンの作品といえば「叫び」のイメージですかねえ。やはり展示会場に入るとすかさず不自然な体勢の人物が叫んでいる『人物像習作 II』(1945-46年)が目に飛び込んできます(*)。心地悪い恐怖を感じます。次が『人体による習作』(1949年)です。同展覧会の作品解説によると、ベーコンのアトリエに1920年出版の『物質化の現象』の本が残されており、彼がエクトプラズム(心霊現象)に興味があったのではないかと推測していました。この作品に描かれている人物は、心霊なのでしょうか。。。

そういえば、今回のベーコン展では、彼が残した言動や生い立ちなどから彼の作品が出現した理由を様々な「証拠」から「推測」している作品解説が結構ありまして、やはり現代アートの世界でも「裏付け」は重要なんだなと思いました。我々からすればあたりまえなのですが。。私個人の考えですが、美術を分析する者は科学者と似ているような気がします。証拠がなければ断言は出来ない。作品に描かれている史実も大事なのだけれども、アーティストがそれをどう扱うかで、また見る者がどう感じるかで、作品の意味は変化します。ベーコンの人生は、エキセントリックな印象が強いのですが、自分の作品いついてあまり多くを語らなかったからでしょうか、綿密に研究しながらも慎重な専門家の視点と考察が伝わってくる同展覧会の作品解説に共感しました。

また、展示会場のライトとの兼合いで各作品の額装に仕様されているガラスの表面が反射することもあり、この件に関する注意書きも展示会場のところどころにありました。それによると、ベーコンは、「ガラスと金縁の額」という額装の仕様にこだわっていたそうです。その理由がガラスで人と作品との間に隔たりをつくりたかったから。ということは、ベーコンの作品が発してる何か(暴力など)と見る者との間にはガラスで隔たりが出来ている。ベーコンの人気の秘密は、このあたりに隠されているのかなと思いながら、当初とは違った目で鑑賞を始めました。

では、今日はこの辺で。

*この作品は、下記のフランシス・ベーコン展特設ホームページで見ることが出来ます。

フランシス・ベーコン展
会 期 2013年3月8日(金)‒ 5月26日(日)
会 場 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
開催時間 午前10時 ‒ 午後5時(金曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日(ただし4/8、4/29、5/6は開館)、5/7

展覧会関連サイト
フランシス・ベーコン展特設ホームページ
http://bacon.exhn.jp/