プーシキン美術館展 横浜美術館 私的注目作品 その3

現在、横浜美術館で開催中のプーシキン美術館展で個人的に気になった「私的注目作品 その3」です。

まず最初に訂正のご報告から。。

http://www.artsandculturaljournal.com/2013/07/12/440
http://www.artsandculturaljournal.com/2013/07/26/496

以上の記事で展覧会出品リスト「第2章 19世紀後半(新古典主義、ロマン主義、自然主義)」とタイプしてありましたが、正しくは「19世紀前半」です(上記のURLでは、すでに訂正済みです)。大変失礼致しました。

さて、今回は、展覧会出品リスト「第3章 19世紀後半(印象主義、ポスト印象主義)」の作品からピックアップしてみます。ここはですね、私は迷わず、出品番号43、ルイジ・ロワール《夜明けのパリ》(1880年後半ー1890年前半)を選びます。夜明けの空を背景にパリの町に生きる人々と街の明かりが何ともいえない作品です。パリの朝の空気が伝わってくるようです。多分、雨上がりなんでしょうね。道路が濡れているようでした。馬も木々も建物も人々も一つの作品の中に見事に調和されていて、構成も文句ないです。作風としては印象派に属します。

この第3章には例のルノワール作《ジャンヌ・マリーの肖像》も出品されていますし、マネ、モネ、ドガ、ロートレック、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンといった印象派・ポスト印象派の代表的画家の作品も出品されています。その中でも個人的にロワールの《夜明けのパリ》が一番よかったです。美術史的に、ロワールは、印象派の「代表的画家」でもなければ「巨匠」でもありません。日本で出版されている主要な美術辞典にも彼の名前はありません。Luigi Loirで検索するとニューヨークのRehsというギャラリーのサイトでかなり詳細で正確だと思われるバイオグラフィーがありました(*1)。それによれば、パリの主要展覧会である「サロン」でかなり活躍していたようですね。

今回の《夜明けのパリ》は、彼が画家としての調子が良かった時期の作品の一つなのではないかと推測します。正直なところ、画家達にも常に一定のクオリティの作品を制作し続ける事は不可能です。調子が良いときも悪い時もあります。大御所の連作の中でも力強いもの、そうでないものがあります。ルノワール《ジャンヌ・マリーの肖像》は別として、どうも同展覧会にいたっては、印象派の大御所達よりもロワールの方が一枚上だったのかなと思いました。もちろん個人的な意見です。

では、今日はこの辺で。

*1 Rehs Galleries, Inc.  http://www.rehs.com/

プーシキン美術館展 フランス絵画300年
公式サイト
http://pushkin2013.com

プーシキン美術館展 フランス絵画300年
会場 横浜美術館
会期 2013年7月6日(土)~9月16日(月・祝)
開館時間 10:00~18:00
(8月、9月の金曜日は20:00まで開館、入館は閉館の30分前まで)
休館日 木曜日(ただし8月1日、15日は開館)

会場 神戸市立博物館
会期 2013年9月28日(土)~12月8日(日)
開館時間     9:30~17:30
(土曜・日曜は19:00まで開館、入館は閉館の30分前まで)
休館日     月曜日
(ただし10月14日(月・祝)と11月4日(月・休)は開館、10月15日(火)と11月5日(火)は休館)