「ミケランジェロ展―天才の軌跡」 国立西洋美術館

2013 09 10 13 47 45

現在、国立西洋美術館で開催中の「ミケランジェロ展―天才の軌跡」へ行ってきました。

今年、上野で開催された「ラファエロ展」「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」に続いて、同展覧会「ミケランジェロ展」と、ルネサンスの三大巨匠の作品を日本で鑑賞出来るとは、素晴らしい。

ルネサンス時代の美術史家ヴァザーリ(1511-74)は、彼の著書『芸術家列伝』の中でミケランジェロ(1475-1564)の才能を「神のごとく」という言葉を用いて絶賛しています(以前、お話しましたようにヴァザーリはラファエロとレオナルド・ダ・ヴィンチも『芸術家列伝』に取り上げています)。

ミケランジェロといえば、システィーナ礼拝堂の壁画ですけれども、彼は画家としてだけでなく、彫刻家、建築家としても、才能を発揮していました。今回の展覧会では、ミケランジェロのマルチなアーティストとしての才能を知ることが出来ます。

上の画像は、同展覧会のポスターです。左が《階段の聖母》1490年頃の大理石の作品。右が《キリストの磔刑》1563年頃の木の作品です。《階段の聖母》は、ミケランジェロが15歳頃制作した作品と考えられており、《キリストの磔刑》は、その73年後の晩年に作られたものとされています。

古典芸術(ギリシア・ローマ芸術)の理想とされる調和のとれた肉体美を超えたダイナミックな身体の表現は、ミケランジェロの作品の特徴の一つですが、この《階段の聖母》は、彼の初期の作品らしく、まだ古代ギリシアの様式美を思わせます。そして、ミケランジェロの強烈すぎるほどの身体の表現は、晩年に向かうにつれて、《キリストの磔刑》のような表現へ変化していきます。この作品をみていると、晩年のミケランジェロは、もはや視覚的な美は必要ないと考えていたように思われます。私は、どちらの作品も今回の展覧会で初めて観ました。大げさかもしれませんが、《キリストの磔刑》を観ていると、これがルネサンス時代にミケランジェロによって制作されたという事実に驚きます。現代アートといっても不思議ではないような気がするのですが。。いかがでしょうか?

では、今日はこの辺で。

参考文献
Vasari, Giorgio. 1997.『ルネサンス画人伝』(平川祐弘・小谷 年司・田中 英道訳) 東京:白水社.
展覧会公式サイト 『システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡 』〈http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/art/〉(アクセス日 2013年9月13日).

システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡
会場: 国立西洋美術館
会期: 2013年9月6日(金) ~ 11月17日(日)
開館時間: 午前9時30分 ~ 午後5時30分(金曜日及び11月2日・11月3日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日: 月曜日(ただし、9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館、翌火曜日は休館)※開催日時は変更となる場合があり。