アメリカン・ポップ・アート展 国立新美術館 個人的にホッとする作品は。。

2013 09 14

先日、現在国立新美術館で開催中の「アメリカン・ポップ・アート展」へ行ってきました。

美術史家 E.H.ゴンブリッチよると、20世紀半ば「暮らしのなかに氾濫する『応用』美術や『商業』美術と、展覧会場や画廊に展示される難解な『純粋』美術のあいだの不幸な亀裂」(ゴンブリッチ, 2011, 460頁)の「その亀裂を埋めたいと思った」若い美術学生達が「日頃親しんでいるマンガや広告からイメージを借りてくるだけで、アートを作ることができるんじゃないか」と考えて生まれたのが、ポップ・アートだそうです(ゴンブリッチ, 2011, 471−472頁)。

私はどちらかというと『純粋』美術を専門としていますが、『商業』美術も好きです。とくに広告は芸術作品に匹敵する作品も数多くありますし、常に気になるファッション・フォトグラファーも何人かいます。確かにポップ・アートは、そのあいだの亀裂を埋めるものかもしれません。あまり深く考えなく、鑑賞していて心地よいものを基準とした場合、私が好きなアーティストは、同展覧会では、ロバート・ラウシェンバーグ(1925-2008)やジャスパー・ジョーンズ(1930-)あたりですね。

そして、今回の出品作品の中では、アンディ・ウォーホル(1928-1987)の《200個のキャンベル・スープ缶》(1962)が個人的に圧巻でした(上の画像を参照)。

ただし、私の中では、アンディ・ウォーホルは、米国雑誌『Interview』の創始者というイメージが強いです。現在でも発行されている『Interview』ですが、内容はセレブやアーティストに関する記事やインタビューが中心で、使われている広告も憎いほどスタイリッシュでした(しばらく目にしていないので、最近は傾向はわからず)。表紙も新旧セレブを使うのが特徴で、最新の9月号はナオミ・キャンベルが表紙です。また、個人的な話なのですが、日本の幾つかの美術館にも所蔵されている現代アーティスト、フランチェスコ・クレメンテ(1952〜)の自画像が表紙の『Interview』が私の自慢のコレクションの一つです。

話をもとに戻します。同展覧会の中でやはり鑑賞していて心地よいのがウォーホル《200個のキャンベル・スープ缶》です。他の作品を鑑賞する時より、ほっとする理由を考えてみると、キャンベル・スープ缶とはアメリカ食文化を象徴している図像だからではないかと思います。やはり象徴や図像を研究していると、象徴が完全に視覚化されていると安心するのです。職業病でしょうか。でもアート鑑賞とは、鑑賞していて心地よいというだけでも成り立つと思いますので、これもありかなと。

では、今日はこの辺で。

参考文献リスト
E.H. Gombrich.2011.『美術の物語(ポケット版)』(田中正之・天野衛・大西広・奥野皐・桐山宣雄・長谷川宏・長谷川摂子・林道郎・宮腰直人訳)東京:ファイドン.
展覧会公式サイト 『アメリカン・ポップ・アート展』〈http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/〉(アクセス日 2013年9月27日).
『Interview』公式サイト〈http://www.interviewmagazine.com/〉(アクセス日 2013年9月27日).

アメリカン・ポップ・アート展
国立新美術館
会期:2013年8月7日(水)-10月21日(月) 毎週火曜日休館
開館時間:10:00-18:00(金曜日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで