「印象派を超えて―点描の画家たち」展 国立新美術館 私的に好きな作品 その2

前回の続きです。

現在、国立新美術館で開催中の「印象派を超えて―点描の画家たち」展で私的に好きな作品は、前回お話したゴッホ以外にもいろいろあるのですが、その中でもオススメの作品の一つがクロード・モネの《サン=ジェルマンの森の中で》(1882年)です。モネは、ご存知の通り、フランス印象派の代表的画家です。モネの作品は、日本でも様々な展覧会で結構目にするのと、睡蓮など連作が多いので、彼の作品のほとんど全てを観ているような気になっていたのですが、この《サン=ジェルマンの森の中で》は、はじめてでした。しかも日本の美術館に所蔵されていたのですねえ(吉野石膏株式会社が山形美術館に寄託)。秋らしい日本の紅葉を思わせるような魅力的な作品です。

さて、印象派は、色彩や光を線ではなく独特な筆のタッチで描いてく手法を用います。例えば、モネの作品を間近で観ると荒々しいタッチが目につきますが、作品から少し離れて観ると光と色が表現された繊細な作品になります。

今回の展覧会の題名でも使われている「点描」は、筆のタッチではなく、点で描いていく画法です。色の点で色彩や光や陰影を表現していくので、小さな色の石やガラスを埋め込んで画を描いていくモザイクと表現方法は少し似ているかもしれません。もちろん点描画は、より科学的な視点から色彩表現を研究しています。

同展覧会でも紹介されている、点描法を用いた代表的画家ジョルジュ・スーラやポール・シニャックは、印象派の後(まさに「印象派を超えて」ですね)に登場しましたので、新印象派と呼ばれます。そして、その後にゴッホやゴーギャンをはじめとする後期印象派が続きます。ゴッホが点描画に影響を受けた可能性は、前回お話した彼の《レストランの内部》でもわかります。

シニャックとスーラも同じ点描画を用いているとはいえ、シニャックの作品は、少しモザイクのような画風です(《ダイニングルーム 作品152》1886-87年)。一方、スーラの作品(出品作品《グラヴリーヌの水路、海を臨む》1884-85年)は、点の集まりが蜃気楼のように見える繊細な作品です。スーラは、自らの画法を点描画法と区別して「色を分割する」分割画法(同展覧会では「分割主義」)と名付けていました(*)。両者を比較してみるのもよいと思います。

全体の内容としては、展覧会のタイトルにある「点描の画家たち」(新印象派)だけでなく、印象派から後期印象派、分割主義の延長線上に誕生した思われる抽象絵画(ピート・モンドリアンの作品)まで、広い範囲の時代をカバーしている展覧会でした。

では、今日はこの辺で。

*参考文献
「印象派を超えて―点描の画家たち」公式サイト内「見どころ」
http://km2013.jp/highlight.html(アクセス日2013年10月25日)

クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて―点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
会期:2013年10月4日(金)~12月23日(月・祝)
毎週火曜日休館
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで
入場は閉館の30分前まで。