『 モネ、風景をみる眼 – 19世紀フランス風景画の革新 』展@国立西洋美術館 でもやはりモネはいい。

2014 01 24

先日の続きです。

美術史を学ぶ学生達から「印象派はつまらない」というコメントをよく聞きます。古典から中世を経てルネサンスで花咲くドラマチックな宗教画、あるいは現代アートの神経に刺さるような作品を学んでいると、どうも鑑賞して素直に「美しい」と感じる作品は、物足りないような錯覚を覚えるのかな。。。という私も印象派の良さが理解出来るようになったのも(あるいは感じられるようになったのも)、美術史を学びはじめて大分時間が経ってからでした。

さて、現在、東京国立西洋美術館で開催されている『 モネ、風景をみる眼 – 19世紀フランス風景画の革新 』に話を戻します。フランスを代表する印象派の画家クロード・モネの「感覚」を絵として表現するという斬新な発想と、それを実現した彼の技術の素晴らしさは、美術史全体の流れを把握した時にはじめて理解出来るのかもしれません。あるいは、モネの作品を(前述のような)先入観を持たない「目」で素直に「美しい」と感じる事が出来るのであれば、それはさらに素晴らしい事だと思います。

もっとも「印象派」という用語も美術史(美術館)的視点から、我々が便宜上用いている大まかな括りとも考えられます。なぜならば、画家1人の人生の中でも画風が変化していきますし、画家自身が自分の表現方法に疑問を抱く時もあります。ですから、同展覧会のサブタイトル「19世紀フランス風景画の革新」は、上手いなと思いました。

上の画像は、今回の展覧会のポスターです。どちらもモネによる作品です。左が《睡蓮》1907年(ポーラ美術館所蔵)、右も同じく《睡蓮》(1916年)(国立西洋美術館・松方コレクション)です。展示会場でも、この作品が並んで展示されており、同展覧会の一番の見どころとなっているように思えました(作品番号75&76)。同じ画家が同じテーマを描いても、9年という歳月を経ると、こうも作風が変化するものなのかという事がはっきりと目で確認できます。どちらの作品が自分の感性に合っているのか。どちらがどう好きなのか。単に比較してみるのもよし。とにかく、この二つの作品の前に立って「目」で感じることおすすめします。

今回の展覧会は、素直に「美しい」と感じる質の高い19世紀のフランス絵画を数多く鑑賞することも出来ますし、モネ通には嬉しいプロ好みの内容となっています。というわけで、やはりモネはいい。

では、今日はこの辺で。

国立西洋美術館×ポーラ美術館『 モネ、風景をみる眼 – 19世紀フランス風景画の革新 』
会場:国立西洋美術館
開催期間:2013年12月7日 (土) ~ 2014年3月9日 (日)
開館時間:午前9時30分 ~ 午後5時30分
※ 金曜日は午後8時まで
※ 入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日

国立西洋美術館公式サイト
「国立西洋美術館×ポーラ美術館『 モネ、風景をみる眼 – 19世紀フランス風景画の革新 』」
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013monet.html

同展覧会特設サイト
http://www.tbs.co.jp/monet-ten/