「栄西と建仁寺」展 東京国立博物館 なぜか若冲がとても良かった

2014 05 16

現在、東京国立博物館(トーハク)の平成館(「キトラ古墳壁画展」は本館で展示中)で開催中の「栄西と建仁寺」展へ行ってきました。今回の展覧会では、日本に禅宗を広めた栄西(えいさい)と彼が創設した建仁寺(けんにんじ)ゆかりの宝物が出品されていまして、会場は大混雑でございました(ただし、キトラ古墳壁画展のように入場までの待ち時間は無)。

栄西(1141〜1215)は、宋(中国)へ二度も渡り、大陸で臨済宗を学び日本に禅宗を広めた禅師ですが、禅僧として抹茶を嗜み、宋より茶種を持ち帰ったことから、茶祖としても有名だそうで、彼の著書(出品No.25)『喫茶養生記』(14世紀)は、日本最古の茶書とされているそうです(*1)。今の日本では想像もつきませんが、栄西が禅宗を日本に広めるためには、数々の困難があったようで、展覧会前半は、栄西の足跡と日本の禅宗の歴史を再認識出来る内容になっていました。後半は、同展覧会のポスターでもお馴染の俵屋宗達(たわらやそうたつ)の「風神雷神図屏風」(17世紀)や海北友松(かいほうゆうしょう)の「雲竜図」(1599年)をはじめとする日本美術の傑作が出品されていました。どちらも「間違いない」傑作です。

毎度のことながら展覧会の目玉作品以外が気になってしまう私ですけれでども、今回の展覧会の作品の中で個人的に好きだったのが、(出品No. 150)「拾得および鶏図」(18世紀)と(出品番号No.151)「雪梅雄鶏図」でした。共に伊藤若沖(いとうじゃくちゅう)の作品です。どちらの作品も会場で特別に展示されているわけでもないのにひときわ目立ちました。いい意味で、今回出品されている他の作家達の作品と比べて異質というか独特です。とてもモダンで粋です。構図も筆のタッチも心憎い巧さが光る作品でした。とくに「雪梅雄鶏図」は、保存状態も良好で、白(雪)と赤(椿と鶏の鶏冠)のコントラストがとても鮮やかな作品でした(下記の同展覧会公式サイトで画像あり)。会場でも、伊藤若冲のこれらの作品の前に近づくと「あ、若冲だ!」という声が聞こえました。最近では、プライスコレクション(若冲のコレクターで有名な米国人ジョー・プライスのコレクション)で有名な若冲ですけれども、もう少し国内で若冲の作品を気軽に鑑賞出来るといいなあとつくづく「栄西と建仁寺」展で思ってしまったのでした。

なお、「栄西と建仁寺」展も「キトラ古墳壁画展」も今週末(5月18日)までの開催となります。

では、今日はこの辺で。

参考文献

*1.「栄西と建仁寺」展 公式サイト 〈http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1632〉(アクセス日 2014年5月16日)

開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」
会  期:2014年3月25日(火) ~ 2014年5月18日(日)
会  場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝休日は18:00まで開館)
休館日:月曜日