魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展 国立新美術館 パリッ子達が夢中になったロシアバレエ団

2014 06 19 17 06 40

8月も、もうすぐ終わってしまいます。東京では、時々蝉の声は聞こえるものの、ちょっと寂しい。

大分前になってしまうのですが、現在国立新美術館で開催中の「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」へ行ってきました。同展覧会は、9月1日(月)までなので、気がついた点を少しだけ。

ロシア人のセルゲイ・ディアギレフ(1872-1929)が気鋭のロシア・バレエ・ダンサー達を集めて結成したのが「バレエ・リュス」です。「バレエ・リュス」とはフランス語でロシア・バレエという意味なのですが、彼らの活躍の場は、20世紀のはじめ(1909年〜1929年)の芸術の都パリ。ロシアといえば、ボリショイ・バレエが有名ですし、バレエ・リュスのロシア・バレエ・ダンサー達のレベルの高さは想像出来ます。その中には、あのワツラフ・ニジンスキー(1889-1950)もいました(ちなみにニジンスキーは、ディアギレフの愛人でもありました)。

そして、何よりもバレエ・リュスの素晴らしさは総合プロデューサーのディアギレフの天才ともいえる芸術的センスに支えられていました。彼の選ぶ演目は、バレエ演目の王道の「白鳥の湖」というよりも、ロシア民話やオリエントのエキゾチックな国が舞台の物語が多く、フランスの観客達は異国情緒あふれる舞台に夢中になったようです。

そしてバレエといえば衣装。同展覧会では、年代順に各演目のコスチュームが展示されているのですが、数多くの異国情緒あふれた美しい衣装が圧巻でした。これらの衣装、そして舞台芸術、衣装、プログラムを担当していたのが当時パリで大人気の芸術家達(ピカソやマティスなど)でした。まさに総合芸術ですね。当時のディアギレフの影響力が芸術全般に行き渡っていたのが想像出来ますね。ちなみに1929年、ディアギレフはベニス(ヴェネツィア)にて亡くなったそうなのですが、私は思わずルキノ・ヴィスコンティの映画の「ベニスに死す」(1971年製作)を思い出しました。ニジンスキーに裏切られたディアギレフの姿と、美少年に片思いをする映画の主人公の姿を勝手に重ねてしまいました。

個人的には、展示されている衣装以上に気に入ったのが舞台衣装の原画です。とくにロシア人の画家、レオン・バクスト(1866-1924)の舞台衣装の原画がエキゾチックで素晴らしく、見入ってしまいました。彼の舞台衣装の画集があれば買ってしまうかもしれません。

ひとつ気になったのが、マリー・ローランサン(1883-1956)が美術と衣装を担当した《牝鹿》(Les Biches)の絵が描かれているパンフレットが展示されていたのですが、そのキャプションには「パブロ・ピカソ表紙デザイン」と書いてありました。その隣は、アンリ・マティス(1869-1954)が描いたと思われる絵が掲載されたパンフレットが展示されたのですが、キャプションには「アンリ・マティス」とは説明がありませんでした。私の見間違いかなあ。ただ、私が同展覧会へ行ったのが6月だったので、もしかすると今は何らかの変更があるかもしれません。

同展覧会の音声ガイドのナビゲーターがバレエファンお馴染の熊川哲也氏。バレエファンでなくても十分に楽しめる内容でした。あと展覧会の入り口に作品リストと一緒に「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展プチガイド」という小冊子がありまして、子供向けのようですが写真もきれいでわかりやすくて楽しい!大人の方も是非一冊どうぞ(今も置いてあるといいですが)。

では、今日はこの辺で。

魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展
会場:国立新美術館
会期:2014年6月18日(水)~9月1日(月)
毎週火曜日休館 
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで
8月30日(土)は20:00まで
入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館