オルセー美術館展 国立新美術館 やはり《笛を吹く少年》は名品だった

2014 10 17

先日、六本木の国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展 印象派の誕生 ―描くことの自由―」に行ってきました。10月20日の最終日まで20時まで開館していまして、18時半頃から久々にゆっくりと名作の数々を鑑賞出来ました。現在、国立新美術館では、「チューリッヒ美術館展―印象派からシュルレアリスムまで」(2014年9月25日〜12月15日まで)も同時に開催中ですが、こちらは金曜日以外は18時までなのでお気を付けて。

今回の展覧会の注目作品は、なんといってもエドゥアール・マネ 《笛を吹く少年》(1866年)でしょうか。作品の高さは160cm以上ありまして、意外と大きな作品なのですが、「背景に奥行きが感じられず平面的に描いている」点が、当時としては「斬新」と評価されてきた作品です。実際の作品の背景は、それほど平面的に感じられません。上の画像(同展覧会ポスター)では見えませんが、この作品の見どころの一つがこの少年の足下だと私は思います。少年の左足(我々から見ると少年の右側の足下)の後方にさりげない一筆で描かれた一つの太い線。この線一本だけで作品に奥行きを表現しています。まさに魔法の一筆です。少年の赤いズボンの黒のサイドラインもマネは計算したのでしょうか。この黒のサイドラインが、作品の中では、黒い輪郭線のように見えまして、これをうまく使って少年の身体が平面でなく立体的に見えるように描いている技のようにもみえます。さらに注意深くみると、少年の右足の後方も淡い影のようなものが描かれています。

今までの私の記憶の中では、この《笛を吹く少年》は、カメラのフラッシュを焚いた直後のような感じの、グレーの背景に白い顔の少年と彼が身に付けている白のサッシュや白の靴下(のようにみえる)の印象が強かったのです。しかし、今回実際に作品の前に立って鑑賞すると、マネの筆遣いの技術的な高さが理解出来ます。この《笛を吹く少年》は、マネの作品の中でも名品の一つと再確認しました(この作品の全体像は同展覧会の公式サイト「みどころ→展示構成」でみることが出来ます)。

来週の月曜日までなので短いですが、取り急ぎ、お伝えしたく失礼致します。

では、今日はこの辺で。

オルセー美術館展 印象派の誕生 ―描くことの自由―
会場:国立新美術館 
会期:2014年7月9日(水)~10月20日(月)
開館時間:10:00~20:00 10月12日(日)以降は毎日20:00まで
*入場は閉館の30分前まで

展覧会公式ホームページ
http://orsay2014.jp/