チューリヒ美術館展  国立新美術館 印象派からシュルレアリスムまで玄人好みの名品ばかり

2014 11 17 15 59 14

先日、国立新美術館で開催中の「チューリヒ美術館展」へ行ってきました。2014年はスイスと日本の国交樹立150周年ということもありまして、「ヴァロットン展」(三菱一号館美術館にて会期終了)、「ホドラー展」(現在国立西洋美術館にて開催中)、そして「チューリヒ美術館展」と、スイス関連の展覧会が続きます。

今回の「チューリヒ美術館展」では、スイスの画家の作品だけではなく、サブタイトルの通り「印象派からシュルレアリスム」までの様々なジャンルの名品が来日しています。フランス印象派の画家、クロード・モネ、晩年の大作、≪睡蓮の池、夕暮れ≫(1916/22年)もその一つ(今回が初来日だそうです)。ただ、この作品は、モネの睡蓮の連作がお好きな方は「いつものモネと少し違う」という印象を持たれると思います。遠くから鑑賞する限り、モネが睡蓮の池を描いていると理解出来ます。しかし、この作品を間近でみるとモネの過去の作品と比較して、かなり抽象化が進んでいることがわかります。20世紀のアメリカの抽象表現主義の画家、ジャクソン・ポロックの作品(同展覧会では出品されていません)ほどではないですけれども、この作品のテーマ(睡蓮の池)を知らずに画面だけを見ていると抽象表現主義の走りの作品といっても過言ではないです。一般的に印象派の作品は、近くで鑑賞して筆や色使いを楽しみ、遠くから全体像を楽しむという流れが、個人的にはベストだと思います。この作品も、近くからと、遠くからと、交互に鑑賞してみると楽しいです。

上記のモネの作品は、今回の展覧会の目玉作品ですが、同展覧会の中で、個人的に好きな作品は、フィンセント・ファン・ゴッホの《サント=マリーの白い小屋》(1888年)とアンリ・マティスの《バルビゾン》(1908年)でした。前者も後者も「らしい」色使いが印象的でした。私は、どちらの作品も今回の展覧会で初めて観ましたが、あまり本では紹介されていない名品に出会える事も、このような海外の美術館の所蔵作品展の魅力です。1888年のゴッホの「アルルの寝室」(ゴッホ美術館所蔵)や、1912年のマティスの『金魚』(プーシキン美術館所蔵)がお好きな方には、おすすめの2作品です。

他には、個人的に好きなアルベルト・ジャコメッティの作品(彫刻)が観れたことが嬉しかったです。彼の親戚のアウグスト・ジャコメッティの《色彩のファンタジー》(1914年)も今回展示されていました。前述のポロックがお好きな方にはいいかもしれません。ただ、アウグスト・ジャコメッティの《色彩のファンタジー》は、ポロックの一連の作品よりも、ずっと計算された構図になっていると思います。この作品は会場でもひときわ目を引く作品でした。

ひとつだけ残念だったのが、同展覧会の子供用のガイドブックをもらえなかったこと。最近の国立新美術館の展覧会(企画展)では、作品リストの横に子供用の展覧会ガイドブックが置いてあり、大人でも手にいれることが出来ました。毎回内容がとても良かったので、今回も楽しみにしていました。今回は、作品リストの横に「(子供用、学生用)のガイドブックあります」のポップがありました。受付のスタッフに一部入手したいと聞いてみたところ「子供と学生用です」と断られてがっかり。レストランでお子様ランチが注文出来なくて、がっかりする大人の気持ちがわかりました。

なお同展覧会は、来年神戸市立博物館でも開催されます。詳細は下記にてご参照下さい。

では、今日はこの辺で。

チューリヒ美術館展 ―印象派からシュルレアリスムまで

■東京展
会場:国立新美術館
会期:2014年9月25日(木)〜12月15日(月)
休館日:毎週火曜日 
開館時間午前10時〜午後6時 金曜日は午後8時まで
*入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 http://www.nact.jp/
主催国立新美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日

■神戸展
会場:神戸市立博物館
会期:2015年1月31日(土)〜5月10日(日)
休館日:毎週月曜日 *ただし、5月4日(月・祝)は開館
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分 土曜日は午後7時まで
*入場は閉館の30分前まで

展覧会公式サイト
http://zurich2014-15.jp/