フィレンツェ、2日目、ウフィツィ美術館、《春》、マーキュリー

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昨日の画像は、サンドロ・ボッティチェリの《春(プリマヴェーラ)》(1481-1482年)の中に描かれている、ギリシャ神話の神ヘルメス(ローマ神話ではメリクリウス)の足元です(一番左端の人物)。英語では、マーキュリーとも呼ばれており、神々のメッセンジャーとして知られています。彼のアトリビュート(持物)の一つが、有翼のサンダルです。アトリビュートとは、美術の中で、持ち主を特定する「持物(じぶつ)」を意味します。つまり、有翼のサンダルを履いている若い男性が描かれている場合(ルネサンス時代の作品の場合、ほぼ間違いなく)、彼はマーキュリーです。

《春(プリマヴェーラ)》を大きな画面として見ていると、彼がサンダルは履いていることはわかるのですが、サンダルについている羽までは見えません。そして、今の時代でも通用するほどスタイリッシュなサンダルの形です。サンダルの質感といい、サンダルと共に描かれている花といい、足元の細部まで美しい。。で、そのお顔とはいうと上の画像の通りです(ピンボケで恐縮です)。彼が上を向いているのは、楽園に忍び寄ってくる黒雲を2匹の蛇が巻き付いたケーリュケイオン(マーキュリーの伝令杖)で止めているから(と推測されています)。ちなみにこのケーリュケイオンもマーキュリーのアトリビュートです。彼の麗しい姿を見ていると、日本の少女漫画の源流は、ボッティチェリの《春》なのかもしれないと、ふと思うのでした。