マドリード、4日目、ティッセン・ボルネミッサ美術館、ルーベンス、《目を潰されるサムソン》

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ティッセン・ボルネミッサ美術館所蔵の気になる作品、まだ続きます。

画像は、皆様ご存じのバロック期フランドルの画家、ルーベンスの《(ペリシテ人に)目を潰されるサムソン》(1609-1610年頃)です。この作品は、ルーベンスの宗教画にしては小さいです(37.5 x 58.5 cm)。よく見るとかなりラフなタッチで描かれたスケッチのような油絵です。

ルーベンスは、作品の大部分を工房のお弟子達に任せ、重要な箇所のみ、本人が描いていたとされています。当時、数多くの大作を受注生産していたルーベンスですから、この作品もその一作品のための「スケッチ」だった可能性があります。

となると、この作品は、ルーベンスが「全て描いた」可能性が高く、ある意味、我々にとって贅沢で貴重な作品だと思えます。個人的には、ルーベンスの本来の良さは、工房で手掛けた大作よりは、このような小作品や肖像画の方がわかりやすいと思います。

さて、ルーベンスは、この《ペリシテ人に目を潰されるサムソン》で、イスラエルの英雄サムソンが、愛人デリラの策略で、敵であるペリシテ人に捕らえられ、目を潰されてしまうという、旧約聖書の中でも有名な場面を描いています。シックな色合いの作品ですが、構図の上手さや、裸体の描写の素晴らしさ、などなど、「ルーベンスらしさ」が十分楽しめる作品です。また、額縁が良いですね。