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ボローニャ、3日目、ラヴェンナ、ガッラ・プラキディア廟、《善き羊飼い》

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ガッラ・プラキディア廟の中に入るとヴォールト型の天井がある短い廊下があります(その先に「黄金の夜空」がある主室があります)。ちなみにヴォールト型は、「かまぼこ」の上の部分を想像していただければわかりやすいと思います。画像は、建物内ののすぐ上に半円形の部分に描かれている《善き羊飼い》と美しい文様が描かれたヴォールト型の天井です。これらは、モザイクで出来ています。

《善き羊飼い》に注目してみましょう。十字架の杖をもった羊飼いが、6匹の羊たちに囲まれています。頭に光輪が描かれていることから聖なる人物であることがわかります。そして、羊たちの視線は、羊飼いに向けられています。新約聖書の中で、イエス・キリストは、羊達(信徒達)を導く「善き羊飼い」として記述されていることから、十字架の杖を持つ青年がイエス・キリストであることがわかります。

初期キリスト教時代より、《善き羊飼い》はローマ帝国内の埋葬美術でよくみられました。しかしながら、帝国内でキリスト教が公認されていない時代は、(少なくとも私の知る限り)《善き羊飼い》は十字架の杖を持つことはありませんでした

313年にキリスト教が公認されてから、その表現はより自由になりました。このガッラ・プラキディア廟は、信心深いガッラ・プラキディアの命によって5世紀半ばに造られたことから、イエス・キリストも羊たちも生き生きと描かれています。ちょっとした表現の違いのようですが、キリスト教の歴史と共に美術の表現が変化していることがわかります。

ボローニャ、3日目、ラヴェンナ、ガッラ・プラキディア廟、入り口

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前回は、ガッラ・プラキディア廟の天井をお見せしました。画像は、ガッラ・プラキディア廟の入り口です。濃紺の遮光用カーテンがついた小さな扉を「くぐる感じ」が、なかなか楽しかったことを思い出しました。この入り口から建物の奥にある明かり窓が見えています。この窓の上に「黄金に輝く夜空」が天井が描かれています。

実は、建物に入ってすぐ、この扉の真上に重要なモザイクが残っているのですが、また後日。

ボローニャ、3日目、ラヴェンナ、ガッラ・プラキディア廟、天井

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見た目は素朴でこじんまりとしたガッラ・プラキディア廟の小さな入り口に入りました。その瞬間、建物内は、私1人(すぐに建物の外にいたスタッフらしき若い女性が中に入ってきましたが)。贅沢な静寂の中で天井を見上げると満天の金の星。もう全然、本で見てきた「天井」と違う!これほどまでに保存状態が良いとは驚きました。左右からの明かり窓の光だけで星たちが光輝いています。

この見事な金の星空は、細かな金や鉱物の小片を組み合わせたモザイクで出来ています。空の紺の部分は、ラピスラズリでしょうか。ラピスラズリは、当時とても高価な鉱物でした。天空の空間にふさわしく、天井はドーム(半円)になっています。巧みな星の描き方もあって、黄金に輝く夜空を見ていると吸い込まれそうな気分になります。真ん中に描かれているのは、十字架。イエス・キリストを表現していると推測出来ます。四方には、新約聖書の4人の福音書記者(マルコ、ヨハネ、ルカ、マタイ)を表すシンボルが描かれています。ずっと見ていたいのに首が痛くなってきます。正直、寝転がってずっと見ていたい。