《ユスティニアヌス帝と侍者たち》(547年頃)の向かい側にある四角い枠に描かれているモザイクが《皇妃テオドラと侍者(侍女)たち》です。ユスティニアヌス帝の妻として彼女の頭部にも光輪が描かれています。そして彼女の手には、赤ワイン(十字架にかけられるイエス・キリストの血の象徴)が入った杯が見えます。皇妃たちが向かう先には、従者がカーテンを開けて待っています。カーテンの向こう側は、おそらくサン・ヴィターレ聖堂の祭壇がある後陣があるのでしょう。これらの二つのモザイクは、皇帝と皇妃が、聖体拝領のパンと赤ワインを持って、ミサへ向かう場面を描いていることが推測できます。
皇妃テオドラは、当時ビザンティン帝国で一番影響力のあった女性でした。ファッションリーダーとしても有名だったそうです。確かに、モザイクに描かれているテオドラは、豪華絢爛なアクセサリーを身にまとっています。ミサに出席するには、派手すぎる装いのようですが。。。