お知らせ

IMG 8904

画像は、ティッセン・ボルネミッサ美術館所蔵、17世紀フランスの画家、ジャック・リナール(1597-1645)の《中国製のボウルに入った花束》(1640)です。フランドルの画家、ヤン・ブリューゲル(1568-1625)を思わせる花の静物画ですけれども、リナールのこの作品は、どことなくフランス風で小粋な感じです(*)。

さて、本日(7月9日)より、弊ジャーナルの更新をお休みさせていただきます。次回の更新は、来週7月18日(木)を予定しております。

何卒よろしくお願い致します。

 

*ヤン・ブリューゲルは、「父」の方です。

マドリード、4日目、ティッセン・ボルネミッサ美術館、ジャン=アントワーヌ・ヴァトー、《休息》

IMG 8916

前回の作品を描いた画家は、ジャン=アントワーヌ・ヴァトーでした。

画像の同作品のキャプションによると、作品名は英語で《The Rest》、制作年「c.1709」となっています(ちなみに「c.1709」の「c.」は、「circa」の略語で「おおよそ」の意味です)。邦題は、《休息》でよろしいでしょうか。

西洋美術史で18世紀ロココ期の画家ジャン=アントワーヌ・ヴァトーと言えばパリ・ルーヴル美術館所蔵の《シテール島への巡礼》(1717)が代表的な作品として取り上げられることが一般的です。1717年、当時フランス王立アカデミー準会員だったヴァトーを「正会員」として入会させるために、新しい絵画のジャンル「フェート(フェット)・ギャラント(雅宴画)」が設けられました。その流れから、「フェート・ギャラント」と言えば「ヴァトー」と知られています。

「フェート・ギャラント」は、「贅沢な衣装をまとった男女が夢見がちに大邸宅の庭園を歩く様子を主題とした絵画」を意味します。今回のティッセン・ボルネミッサ美術館所蔵の《休息》ですが、どう見ても「フェート・ギャラント」らしからぬ場面が描かれています。この《休息》の制作年が1709年頃ですから、1712年王立アカデミー準会員に認められる以前に制作した作品と考えられます。

さて、この《休息》では、負傷している兵士達描かれています。彼らは、画面左側に描かれている美しい衣装をまとった二人の女性達を見ているようです。彼らの間には、質素な衣服の女性が幼い息子らしき少年と共に我々を見つめているようです。これらの描写から、ヴァトーは、戦地から命からがら逃げてきて、つかの間の「休憩」している人々を描いていると推測されます。ただし、木陰で休んでいる間も、人々の感情は、それぞれ揺れ動いているようです。

1709年頃、この《休息》で歴史の一コマをありのまま(のように)描いたヴァト−が、数年後《シテール島への巡礼》をはじめとした現実離れした「フェート・ギャラント(雅宴画)」を描くようになった経緯が気になります。

マドリード、4日目、ティッセン・ボルネミッサ美術館、「雅宴画(フェート・ギャラント)」の画家と言えば。。。

UNADJUSTEDNONRAW thumb 51ab

ティッセン・ボルネミッサ美術館、個人的に気になった作品の続きです。

さて、画像の作品は、誰が描いたのでしょうか。「フランス」「ロココ」「雅宴画(フェート・ギャラント)」と言えば?

続きは、来週に致します。引き続き、よろしくお願い致します。

すなわち、芸術文化ジャーナル