アニメーション部門大賞『火要鎮』  第16回文化庁メディア芸術祭

ご存知の方も多いと思いますが、第16回文化庁メディア芸術祭の受賞作品は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に分かれています。今年は、国内外から3503作品、応募があったそうです(*)。その中から選ばれた受賞作品展(審査委員会推薦作品も含む)が、2月13日から2月24日の間、メイン会場(国立新美術館)やサテライト会場で展示あるいは公開されています。今のメディア芸術の動向を知ることが出来ますし、実際のパーフォマンスや受賞者のプレゼンテーション、各部門に関するシンポジウムも開かれるという充実した内容で、全て入場無料です(イベントに関しては事前申込制)。

先日、アニメーション部門作品の上映会に行ってきました。六本木のシネマートで定員135人当日先着順で、上映50分前へ行って、なんと100番台。すごい人気ですねえ。

今回のアニメーション部門大賞は、大友克洋監督『火要鎮 (ひのようじん)』。この作品、第67回毎日映画コンクールでは、大藤信郎賞を受賞していました(今月7日が授賞式)。そして同コンクールでアニメーション映画賞を受賞した細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』は、同芸術祭では優秀賞を受賞。どちらも同芸術祭の期間中に一般公開されます(上映会日時については同芸術祭サイトをご参照ください)。

さて、上映会では大賞作品の他に審査委員会推薦作品も幾つか上映されました。印象的だったのが、アニメなのに描かれている物の「素材感」がわかるような技術でした。例えば、布の手触りのようなものがわかる感じ。

そして、大友克洋監督『火要鎮 (ひのようじん)』。大友克洋監督といえば、『AKIRA』。欧米でもファンが多い、この漫画とアニメを作った人が『火要鎮』。メイン会場の国立新美術館では、手書きの細かい説明が入った絵コンテや美術背景とダイジェスト版の映像が展示されてました。テーマは、江戸の大火のようです。さて、実際の映像(12分43秒)はどうなのか。

最初に絵巻物が出てきます。それがひも解かれ、スルスルと右から左へと流れるように絵が動いていきます。繊細な表現は、この絵巻物の縁や紙の「素材感」まで描いているようです。内容は、歌舞伎などでも有名な「八百屋お七」を思い出しました。お嬢様「お若」が「松吉」(町火消し)を思いながら、火事を大火にしてしまう。この江戸の大火が大友克洋監督の手によって、アニメの中でスペクタクルとなっていきます。哀しいけれども江戸の粋が伝わってくる作品です。後は見てのお楽しみということで。

*第16回文化庁メディア芸術祭公式サイトより
http://j-mediaarts.jp/

本日アート部門大賞受賞者のパフォーマンスあり 第16回文化庁メディア芸術祭

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昨日(2月13日)より、第16回文化庁メディア芸術祭が開催されています。今回は、メイン会場が国立新美術館。サテライト会場が、東京ミッドタウンとシネマート六本木です。

本日2月14日、アート部門大賞作品『Pendulum Choir』のパフォーマンス公演が、東京ミッドタウンで行われます。制作は、Cod.Act というレーベルで活動するMichel DÉCOSTERDとAndré DÉCOSTERDの兄弟アーティスト。入場無料です。場所もオープンスペースで行われますので、席をとれなくても大丈夫です。残念ながら昼の公演は13時半からでしたが、夜の公演は、19時からです。

私は、昨日見ることができました(フラッシュ禁止で逆光です、あしからず)。

まずは、そのビジュアルの斬新さ。機械の台座に縛りつけられたような、9人の男性達。意表をつく動きの中で、バランスとアンバランスを繰り返していく。教会音楽のような、しかし不安になるような調べ。美しい声だけど、心地よい調べではありません。ハーモニーというより、反響しあっているよう。人間から音が「発声」されてるのか、音が人間の形になって「発生」しているのか、混乱します。全員が素晴らしい声の持ち主でクラシックをきっちり学んできたことが私にもわかります。油圧シリンダーで横にされる男性達は、なぎ倒された木のようだったり。まるで、音が地面で、うごめいているような気がしました。機械なのに、生き物のような。。

公演に使用する機材は、全てスイスから運んできたそうです。同芸術祭の公式サイトで紹介されているウェブサイトより、『Pendulum Choir』(約12分間バージョン)を見ることも出来ますが、最新の現代アートを間近で体験できる貴重なチャンスです。興味のある方は、是非。

日時 2月14日(木)19:00~19:50
会場 東京ミッドタウン[ガレリア 地下1階 アトリウム]


第16回文化庁メディア芸術祭
公式サイト
http://j-mediaarts.jp/

なお、エル・グレコ展のレビューの続きは、来週以降にアップする予定です。

すなわち、芸術文化ジャーナル